⑤〜問題の根源的本質を辿ると〜
ここまで読んで来られたなら、もう一歩先に進み、「いじめ・嫌がらせ」問題の根源的本質に思いを至らせてみてもいいでしょう。
生物学的というか動物行動学的というか、「いじめ・嫌がらせ」の根源は異質なものを排除するという行動原理に基づくものであり、ヒトが動物として持つ組織防衛的な機能とも考えられます。
特に小さな趣味の世界は、「趣味」で繋がっているだけであり、その他の繋がる要素はほぼ皆無です。
故に「仲良しこよし」の組織を維持し、仲間内の結束力を高めるための仕組みや原動力が欠かせません。
具体例としてTICA Asia Region(現TICA Asia East Region)を例に挙げれば、あらゆるところに持ちつ持たれつ(「ギブ・アンド・テイク」とも言いますが…)の関係が張り巡らされ、この関係に入るか否かを問われ、強いられます。
「依怙贔屓」や「差別」は関係維持・強化のツールの重要なひとつであり、この恩恵に浴した仲間内だけが「明るく楽しい」ショーを興することができます。
ひとつの小さな趣味の世界は、ひとつの生命の生命圏(要は「井の中の蛙」)と同じようなものですから、この秩序やルールを外れるようなことをすれば排除されます。
人類史は今、ようやく多様性の時代に入ろうとしており、本来であれば小さな趣味の世界ほど多様性に満ち、多様性を尊重し、みんなが明るく楽しめるはずなのですが、例に挙げた猫界は〝歴史的遺産〟さながらの古い精神構造が温存され根付いています。
「いじめ・嫌がらせ」とひと口に言っても、学校や職場とはまた違った難しい側面があり、一筋縄では解決できないことが分かるかと思います。
私たちが普段、学校や職場を舞台に見聞きするのとは異なる「いじめ・嫌がらせ」問題の地平があり、それは容易に解決できないことを理解することはとても大切であると私たちは感じています。
それを知ることで少しは苦しさや辛さも紛れるのではないかと私たちは願っています。
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